【今週のちょっといい話】 第175話−第180話

      
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内○○さん(男性27歳)
SRS速読法初級講習(第325クラス)、ステップ5で提出。
175■「盲導犬」
 6/18。今朝、いつも通り、通勤ラッシュでごったがえす中央線に乗ると、いつもなら本
も開けない程ギュウギュウづめのはずの車内で、ポッカリとスペースが空いていた。よく
見ると、下の方に犬の頭が見えた。盲導犬がいたのである。あれだけ混み合っている車内
でも、犬の周りにいた人達はちらちらと足下を見ては、犬のしっぽをふまないように足の
位置をずらしたり、犬の顔を見て笑顔を浮かべたりして、みんなその犬や、飼い主の事を
気づかっていた。私自身は、その盲導犬から2〜3cmの所にいたのだが、車内での20分
間がとても短く、かつ、なんとなくあたたかい気分で過ごせた。

176■「ネコと共鳴」
 6/20。久々に帰った実家でテレビを見ながら大あくびをしていると、私の横でソファに
寝ていたネコも大あくびをしていた。番組が終わり、ソファでのびをしていると、横で寝
ていたネコも伸びをしていた。ネコと共鳴していたようだ。

西○芳○さん(男性32歳)
SRS速読法初級講習(第325クラス)、ステップ5で提出。
177■「白い花と月」
 月曜日の帰宅途中、ふと帰り路の側の野原に、背の高い、大きな花びらをつけた白い花
を見つけた。(なんという名の花だろうか)その花が、雲のかかった月をバックにとても
きれいで、かつ幻想的だった。
 梅雨というと、どうしてもうっとうしく感じるのだが、かすみがかかった月というのは
幻想的で良いものだと思った。

服○賢○さん(男性35歳)
SRS速読法初級講習(第325クラス)、ステップ5で提出。
178■「赤い星2つ」
 明るいうちに家に帰る事があった。途中でふと空を見上げると赤い星が2つほど見えた。
その2つの星は自ら光を発している星で、きらきら輝いていた。そこで感じたのは、その
星の輝き方が漫画のように大げさに輝いて見えたのだ。以前にも自ら輝く星を何度も見た
事があるのだが、これほどまでに輝いては見えなかった。
 これは感性が磨かれてきて、このような見え方が出来るようになったのだと思う。

179■「銀杏」
 昼間に日比谷公園へ行って来た。移動の時間と昼休み時間を合わせて時間を作ったのだ。
大手町から日比谷公園まで皇居の堀ぞいを歩いた。いつも競歩なみのスピードで歩くのだ
が、今日は心もちゆっくりと歩いた。
 すると、いちょうの木にいちょうの木の説明が書いてあった。この木は中国産で樹形も
美しく、成長が早い為、神社などにも良く植えられるそうだ。銀杏は生命力が強いと聞い
ているが、このひどい排気ガスの通りで、生き生きと、天に向かって天をつらぬかんとし
て生えている。良く通りを見てみると、ビルの前にたくさんの銀杏が植えてある。両者と
も自分の立場はゆずらないとでもいいたげである。しかし、見なれてくると、実にしっく
りしてくる。銀杏のそのきれいな形が、まるで造形物のように感じられてきたからだ。コ
ンクリートジャングルの中の憩いのオアシスは、ここ日比谷で、いつまでも時を止めてま
わりを見守っているように感じた。

山○勝○さん(男性48歳)
SRS速読法初級講習(第325クラス)、ステップ5で提出。
180■「夏至」
 午後になって、いつのまにやら雨があがっていた。ふと見ると、事務所の窓から見る外
の風景がとても明るい。その思わぬ明るさに見とれているうちに、ふと気がついた。
 「そうか、そうだ。今日は夏至なんだ」と。
 そう思うと、無性に外の空気を吸いたくなり、近くの川にかかる歩行者専用の橋の上ま
で出向いた。外に出てみると、相当な風だ。まくったワイシャツの袖口が風をはらんで遊
ぶ。どうやら、この風と朝からの雨が、何もかも全てをキレイさっぱりと掃除してくれた
らしい。光があたりにくまなく満ちて、風景がみな輝いて見える。水気をたっぷりと吸っ
て、木々の緑は深い。空は秋のように濃く青く、はるか遠くまで澄んでいる。天球の西半
分には雲一つとて無く、夏至の太陽がただ一つだけ燦然とまぶしい。
 「まさに夏至なり」。「今日こそ、今年の中で最も明るい日なのだ」。
 うかつにも、今日も雨降りだと思い込んでいた私に対して、これは見事なばかりの自然
の不意打ちだ。