阿部美穂子さんとの対談・後編

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速読最新事情
後編「百聞は一見に如かず!」


 雑誌「ダヴィンチ」の企画によって、タレントの阿部美穂子さんと対談する機会があった。 ダヴィンチ誌に掲載されたその内容を採録する。

「速読最新事情 後編「百聞は一見に如かず」
ダ・ヴィンチ2002年12月号対談完全収録版
発行・発売/メディアファクトリー 毎月6日全国書店にて発売中
SRS速読法は、連載「速読に挑戦」に協力しています
取材・構成――今屋理香

 「ダ・ヴィンチ」2002年12月号
速読でお疲れアタマをリフレッシュ!
阿部美穂子さんが栗田昌裕博士にリポートします

速読がブームである。頭が良くなるとか、体も元気になるとか、試験に合格できる最先端の勉強法だとか……。阿部美穂子さんによる最新の速読リポートもいよいよ後半。意外に簡単ですぐわかる速読トレーニングの効果を身をもって体験してもらうこととなった。

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阿部 美穂子
1975年生まれ。タレントとして、司会、女優と幅広く活動中。TBS「王様のブランチ」や、NHK「ハングル講座」での活躍ぶりは記憶に新しい。それがきっかけで、今でもハングルをプライベートで勉強中とか。現在(=対談時)、テレビ朝日「やじうまプラス」、「月〜金、5:50〜」に出演。ブラウン管の朝の顔から届けられる癒しパワーで一日が始まるというファン急増中。

栗田 昌裕
1951年生まれ。東京大学理学部数学科卒、同大学院修士課程修了、同大医学部卒。米国カリフォルニア大学留学。医師、医学博士、薬学博士。薬物動態学、肝臓病学、医学統計・システム理論などの研究を進める一方、講演や執筆活動も行う。日本で最初に速読1級の検定試験合格後、速読を入口としたSRS(スーパー・リーディング・システム)能力開発法を提唱。世界伝統医学大会3回連続グランプリ受賞をはじめ、毎日21世紀賞、2001年提言賞等受賞も多数。
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■KURITA:みんな最初はとても頭が固いんですよ。
■ABE:速読って、大人になった今だからこそ学ぶ価値を感じます。

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阿部 ●速読って、音読や黙読よりも、人間の目に備わる本来の機能にかなった読み方なんですね。意外でした。

栗田 ■読書以外ではできている目の使い方を、読書でも使おうというのが私の提唱するSRS速読のスタートですね。本来、目から入る情報は、広い視野で同時に大量にとらえられるものなのに、その情報を、わざわざ頭の中で声に出すための音の回路に送っている状態が、音読や黙読です。音は一つずつ順番にしか処理できないから、音読や黙読をしている以上は、一文字ずつしか処理できない読み方になってしまうんですよ。

阿部 ●でも、ゆっくり読まないと、読書の感動や専門書の理解がおろそかになってしまうのではないでしょうか。速読でそれはカバーできるんですか?

栗田 ■もちろんですよ。情報の入力、処理、出力に必要な人間のシステムを整えることで、自然に得られる効果が、速読という高いレベルの情報処理なんです。私は、そのシステムを、筋肉などを司る運動系、自律神経で働く自律系、精神活動に影響を与える感情系、イメージ能力をコントロールする心象系、言葉を扱う言語系、未開発の領域も含めたそれ以外の領域を潜在系として、6つに大別しています。トレーニングではこの全ての領域の活性化を目指すわけですが、それぞれを1分間ずつ刺激するだけでも、速読スピードの向上に伴って、計算能力や、迷路を抜ける能力も、平均2割ずつアップすることが、これまでの受講生のデータでわかっています。さらに、これまで教えてきた397の初級クラスでの読書スピードは、すべて平均10倍以上にアップしているんですが、トレーニング後の受講生からは、心身が元気になったとか、理解力が上がったとか、記憶が鮮明になったとか、スピードに関すること以外の報告がたくさん寄せられています。これらが何を意味するかというと、情報処理の受け皿が整うことでスピードに伴って感受性やイメージ力、記憶力や理解力なども同様に引き上げられていくということなんですよ。

阿部 ●なるほど。感受性や理解力って、時間をかけさえすれば磨かれるというものではないんですね。

栗田 ■時間をかけて読んだはずの小説や台本の中身を、翌日忘れていたということはありませんか。体が疲れている時に勉強しても効率が上がらないとか、スポーツ選手がイメージ訓練を取り入れていることなどからもわかるように、6つのシステムの一部分だけを酷使して長い時間をかけるよりも、全てを平均的に短時間で活性化してやるほうが人間のシステムは威力を発揮するということなんです。

阿部 ●そうか……速読って、大人になった今だからこそ、学ぶ価値を感じます。

栗田 ■速読とはただ速く読むだけだと思っている人も多いんですが、私に言わせると、速く読む訓練じゃないんです。速読しても理解できなければ意味がない。速読は結果に過ぎないですからね。目の使い方や、頭の情報処理システムを高めることが大切なんですよ。

阿部 ●目や頭、自分の持ち物なのに案外バランス良く使えていないんですね。でも、だからこそ、今より良くなる可能性がみんなにあるということなのかな。心配なのは、子供の頃から続けてきた「声に出して読む」という読み方を、簡単に速読に切り換えられるかということなんですが。

栗田 ■難しく考えなくていいですよ。私たちが美しい風景を眺めるとき、縦書きや横書きで見たり、声に出して確認してはいませんよね。自然の形状や色彩などを見て、様々な要素からその素晴らしさを一度で理解しているでしょう。その目の使い方、頭の使い方を、読書で使うだけ。それにはまず、広い視野で瞬時に大量の情報を素早くとらえて脳に理解させる、目の機能を当たり前に使ってやることです。本来できていることなわけですから、さらに特別な道具や能力は必要ありません。

阿部 ●それじゃあ、私にも速読ってできるようになるでしょうか……。

栗田 ■みんな最初はとても頭が固いんですよ(笑)。本は縦に読むといった固定観念を超えることは大事ですね。過去5年間のデータに関して言うと、初級トレーニングを全て受講して10倍速読を達成した人は97.3%でした。95%以上の人ができることを、私は常能力ととらえているんですが、そう考えると、今より10倍速くなる程度の速読なら、トレーニングで簡単に達成できるよ、と言いたいですね。それでは阿部さん、情報処理システムの変化を、今ここで試してみますか。

------阿部さん、指回し体操と体の柔軟度、迷路抜けスピード、計算スピードの変化を実際にチェックしてもらうことに。博士の説明を聞きながら全て試しても、かかった時間は30分程だった。-----

<体験その1 指回し体操>
 左右の指先を合わせ、丸いドームを作る。形を崩さず、互いが触れないようにお親指だけを離し、糸巻きのように20回転。同様に人差指から小指までを順番に回す。脳に直結した器官である「指」を活用することが、脳神経系を刺激し、様々な反射を経由して、内臓や自律神経、筋肉などの影響を与え6つの領域(本文参照)を刺激するという。
 巧緻性と敏捷性を高めるようにちゃんと回すだけで読書スピードが2割から3割アップする効果は、人間の情報処理能力を最大限に引き出す。阿部さんも、指を回しながら体のあちこちを曲げ伸ばしすると、その場でみるみるこれまでの限界が超えられ、驚くことしきり。

<体験その2 計算・迷路抜けテスト>
 SRS速読法では、速読能力をアップさせるだけでなく、迷路をたどる能力や素早い計算能力などもトレーニングを通じてこれまで以上のレベルに持ち上げていく。計算や迷路抜けも、速読と同様、総合的な情報処理能力向上のバロメーターというわけ。さて、指回し体操前とその後で、阿部さんの情報処理能力の変化を測ってみたところ・・・・
 ●一分間に解けた計算問題の数
指回し前は67→指回し後は76・・・113%にアップ!
 ●一分間に抜けた迷路の数
指回し前は6.5→指回し後は9・・・138%にアップ!
 指を回すと体が柔らかくなり、1分間の時間感覚が長くなる。すると、1分間に片づけられる作業能率が向上していく。阿部さん、これだけの変化がすぐにあらわれたことに驚きつつも、「これなら資料もすぐに読めそう、私もやりたい」。

阿部 ●こんなに簡単に変われるなんて思いませんでした。速読って、頭も体も元気になるトレーニングなんですね!
 

【速読ココが分かった】
    1)風景を見るように本のページを読むのが速読の第一歩。
    2)適切な目の使い方を知れば、速読は誰でも目指せる。
    3)トレーニングはどれも1分以内で簡単、家でラクにできる。
    4)読書の感動や理解は損なわれない。むしろ豊かになれる。
    5)仕事や勉強の効率を上げたい人に人気。受講後、
      TOEICの点数が50点上がったという人もいたとか。 

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あなたの疑問、ダ・ヴィンチ編集部が確かめます!
速読は誰にでもできるのか?
いつでも誰でも簡単に始められて、本を速く読むのはもちろん、効率のよい勉強や、豊かな感性磨きを実現するというSRS速読法。ここに、さまざまな年齢、肩書きのSRS速読法受講者4人に登場していただき、速読をマスターして何が変わったかを聞いてみた。今までよりもっと速く、味わい深く、読書の中身を自分自身に活かすためのヒントを見つけてほしい。

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■■ 東京外語大学学生 IGさん(23歳、女性)→見る力が変わった!
「休み時間や通学時間に一冊読破も夢じゃない。長編小説だってサッと読めるんです」
--------速読を楽しむことで固定観念が消えものを見る知性や心を磨く読み方に

 SRS速読法で、自分に足りなかった「見る力」をトレーニングしたことで、速く読めるようになったのはもちろん、目が疲れなくなりました。しかもトレーニングは体に心地よく、頭に面白い簡単シンプルなもので、日常の気分転換みたいな感じで続けられて、楽しかったですね。
 飛ばし読みや斜め読みは速読じゃありません。目の本来の機能に伴う読み方で、情報を速く正しく見ていく方法を教えてくれるのがSRS速読法です。これまで自分の体の中にしまい込まれていたあらゆる運動機能を引き出し、総力を発揮できるように整えてやれば、速読って自然に簡単にできるようになるんだなとつくづく思いました。
 SRS速読法をマスターして気づいたことは、「〜できない、〜が苦手」と思ってきたことのほとんどが、固定観念にとらわれて自分で自分を使い切れていなかったからだということです。だから、今までの読み方のまま速読をイメージして、しり込みしていたんですよね。SRS速読法のおかげで、『自分はこの程度しか読めない、わからない』と決めつけてしまうことがなくなりました。ものを見る力や、センスを意識するようになり、読書の楽しみも倍増しました。今、大学でロシア語を専攻しているので、トルストイやドストエフスキーなど長編大作と言われるロシア文学を、速読で全部読んでやろうと思っています。休み時間、通学時間が十分な読書タイムになりますね、きっと。

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■■専門学校生 HKさん(32歳、女性)→苦手が自信になった!
「読み方にこだわりがなくなって、苦手だった専門書をスイスイ読めるようになったのには驚きました」
--------速読で視野が広がり、知識の受け皿が大きくなったことで、苦手意識のない読み方に
 
 これまで、一文字ずつ読むことにこだわってましたけど、それを忠実にこなしたところで、実はそれほど理解していないんだということに気づいて。ものの見方や言葉のとらえ方において、自分に何が欠けていたのかがわかりました。
 例えば記憶力や集中力、イメージ力。特にイメージ力に関してはためになることが多かったですね。私はすごい方向音痴で、なぜそうなってしまうのか気にしていたんですが、速読について知るうちに、その理由もわかるようになりました。これまでは目の前の狭い範囲しか見ていなくて、ものごとを全体的に見て判断するということをしていなかったんです。読書でも同じ過ちをしていたかもしれないなあと、腑に落ちましたね。
 それを第1回目の講義でズバリ教えられて、目からウロコが落ちました。目に入っていても見ていない状態があるということを自分の体で知ってからは、物忘れの多さや物覚えの悪さについて、自分なりに対策を打てるようになってきたなと思います。ちゃんと見て、頭をまんべんなく使う方法を身につけられたわけですから。わからないことは速読して確かめるようになり、いつの間にか苦手な専門書がスイスイ読めるようになりました。読むという作業から、自分の内面を深く知るきっかけを得ることができたのかもしれませんね。
 現在療術学校に通っているので、人間の体全体を理解するのに、ぜひこの技術を活用していきたいと思っています。

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■■税理士 HMさん(40歳、男性)→試験対応能力が上がった!
「速読をマスターしてから税理士、宅建資格を取得しました。勉強嫌いの強い味方ですね」
--------疲れない、忘れない、焦らない。いつの間にか速く、効率的な読み方に

 もともと疲れ目に悩んでいたのですが、他と比較しても、SRS速読法だけが、速読だけでなく、思考や行動、体調に及ぶ効果にまで言及していました。それで、目を上手に使っていないから視力や学習能力が落ちているのだとしたら、その解決法をマスターしたくなって。10ステップずつの講習を受ける間に、家でのトレーニングは1日10分程度でいいと知って、それで読書スピードが向上するなら面白そうだし、自分の先入観よりも広いフィールドがありそうな気がしたんですね。もしも視力が落ちたり、スピードアップできなかったりしたら、後で文句言ってやるぞ、くらいの気持ちでトレーニングを受けに出かけたんです。
 講習では、速読だけでなく様々なデータを50項目以上計測します。すると、自分は何でも人並みだと思っていたのが、検証してみるとそうでもないことがよくわかりました。意外な点がプラスで意外な点がマイナスなんですよね。そんな、新たな自分を発見するさまざまな尺度と客観性をもたらし、一歩先へとモチベートしてくれた速読のおかげで、勉強嫌いの私が、好奇心をもって目標にチャレンジするようになりました。速読マスター後すぐに税理士の資格を取得し、会計事務所に勤める傍ら、宅建の資格も取ることができたんです。まとまった分量の仕事を短時間で済まさなければならない場合でも、目が疲れなくて速く正確に片づけられる速読のおかげで、時間に困らないんですね。

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■■学習塾塾長 ASさん(53歳、男性)→仕事の夢が実現した!
「初級で10倍速読達成、中級・上級で日常生活や仕事が変化。今も夢に向かって速読を活用中」
--------速読で視野が広がるうえ体調が整うので目や頭が全く疲れない読み方に

 SRS速読法を上級までマスターし、現在はインストラクター資格を取得しました。自ら主宰する学習塾では、SRSのエッセンスを反映した授業で子供たちの学習にも目覚ましい成果をあげることができました。半信半疑で挑戦した速読でしたが、今となっては私の生活に欠かせません。
 SRSで何が変わったかということについて端的に説明します。まずは初級レベルですが、今まで知らなかった自分について知る機会を得て、感動の連続でした。脳の力や体の力について、自分がこんなに変われるのかという自信を与えられる段階だったと思います。気がつけば体調がよくなって、本は今までの10倍以上の速さで読めているし、読書、仕事、勉強、あらゆる状況で、目で認識して頭に入るものが格段に増えました。速く読むという目標については、初級レベルで十分満足したほどです。中級の頃には、体全体を活性化させるトレーニングで、長年悩まされてきた顎関節症が治るほどのベストコンディションになり、本は数分で速読して、役立つ情報を頭の中にファイリングする毎日でした。何一つムダに感じられず、充実していましたね。
 上級となった今は、教える側に回って、以前からやりたかったことに挑戦しています。子供の学習効率を引き上げることで勉強時間を短縮できたので、ベーゴマからパソコンまで、遊びにも一緒に取り組んでいます。実現しつつある夢は、視野の広い子供を育てるということなんです。

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